刑務所の文化祭みたいなモノと聴いて行ってきました大阪刑務所の矯正展。お堀の中の方々の作品を購入できたり、なんと所内を見学できるツアーもあったり!!(これメインイベント!!)
二日目のはじまり。正門前で地元のちびっこチアのイベント。ちなみに、バックでスタンバってるちびっこがお堀の中に入ってますが、見学イベント参加者以外は入れないのです。ちびっこも、門あたりまでしか入れなかったと思う。後で書きますが、中に入るにはそれなりにチェック厳しいです。
なので、この矯正展の会場はお堀の外、この正門の前当たりで行われてます。お堀の中ではやってません。正門前も刑務所管轄内っぽい。多分、仮釈放を受けた方々がお住まいの施設が近辺にあるんでしょうね。今日の朝ご飯は、受刑者の方々の中でも人気メニュー、刑務所カレー。普通においしい。普通すぎる。普通ってすばらしいね。
会場では、全国各地の刑務所で作られたいろんな品々、伝統工芸品や立派な家具やかわいい食器や鉢植えや枕(長野刑務所のソバガラ枕は今でも買えばよかったと後悔してる!!)、所内で育てた野菜や味噌・醤油などなど、様々なモノが売られてました。かたーい伝統工芸品ばっかりなのかなーってイメージがあったんですけど、全然そんなことなかった。中でも、岩国刑務所の方々が作られた赤ちゃん服がちょうカワイイ!! 綿100%!! さすがに友だち(こないだ出産した)にはプレゼントできないよなーMADE IN 刑務所は。
その他、刑務作業の体験コーナーや、こないだできた播磨のPFI施設の模型の展示、それから管轄少年院の広報(パンフレットが置いてあったんだけど、持ち帰っちゃダメって書いてあった...)、単独室モデルルーム(収容オーバーのため、2段ベッドが置かれてた。狭すぎる)とか、それから地元の方々のバザーとかお店とかイベントとか。地域のお祭りみたいな感覚っぽい。
いよいよメインイベント、刑務所見学ツアーへ。去年まではバスで回ってたらしいのですが、今年は徒歩。まず整理券をゲットしないと見学に参加できません。整理券には氏名・住所を記入します。堀の中に入るんだからね、個人を特定できないとダメっぽい。先着500名までなので、毎年あっというまになくなっちゃうらしい。よかったーゲットできて。私は11時のグループで見学することになりました。10分前にはここの門の前に並んで下さい、とのこと。写真はその10分前です。係りの人に「門の中に入る前に、この透明なビニールの中に、カメラ、携帯、ライターを入れて下さい。携帯は電源を切って下さい。」と言われる。当たり前だけどカメラ撮影は禁止。10分後、いよいよ門の中へ。
門の中に入ると、また門があって、その前で10分ほど大阪刑務所の歴史とか刑務所の現状とかを聞かせてもらいました。「収容人数が倍くらいになってるのに職員が増えないので大変」「すぐに戻ってきてしまういわゆる常連さんの出戻り回数は平均4回くらい」「ともかく人が多いのでご飯は炊けない。パンを焼いている」とか。そして、とうとう第二の門の向こう、堀の中へ。説明員(刑務官)の方からいろいろ注意点を説明される。「列から離れないで下さいね」「迷子になったら出られなくなりますよ」「入るのも難しいですけど出るのも難しいですよ」リアルに怖い。
はじめて見る、ていうか生涯見ることは無いだろう堀の中は、ぱっと見、大きな工場の中って感じ。見学できたのは、運動場、作業場、入浴場。運動場は2つ。もともとはもっと大きかったらしいんだけど、収容人数の増加のために作業場を建てたらしい。受刑者は一日30分の運動をしなければならない。年配の受刑者はベンチで座って日向ぼっこするらしい。
次は、作業場。入口出口ともにカギがかかってた。中に入ると、よく事件現場のニュースとかで見る「立ち入り禁止」の黄色いテープが通路沿いに張られてた。「作業場には絶対に手を触れないで下さいね」と注意する説明員の方。優しい声で優しいお顔をしてるのに真顔だ。笑顔はない。印刷の作業場はパソコンが数台置いてあった。「昔はガリ版だったんですけどね」と話す説明員の方。そうだよねー、今はパソコンだよねー。続いて、隣の伝統工芸品の作業場を見る。どちらもともかく整理整頓されてて、ここもモデルルームなんじゃないかと錯覚してしまうくらいチリひとつない作業場でした。リアルだわ。
最後は入浴場。20畳ほどの小さな銭湯みたいな感じ。大きな湯船が二つ並んでる。「24時間沸かせます」とのこと。入浴時間はたったの15分。中央の壁の上部に並ぶ「15」「10」「5」...のランプで残りの時間を知らせるらしい。そんなの確認してる暇あるかー!! しかも冬場は週2回、夏場は週3回しか入れない(夏場はシャワータイムがあるらしい)。かつては一組40人で入ってたのだけど今は80人で入るとのこと。刑務所で一番ツライ経験って間違いなくお風呂だと思う。想像するだけで地獄すぎる!!
という感じで15分ほどでツアーは終了。途中、500メートルほど先に受刑者の方がキビキビ働いてはるのが見えて「ほ、ホンモノだー!!」と叫びそうになりました(馬鹿すぎる)。そして、門の外、シャバの世界へ戻りました。堀の中に入る時もそうだったんですけど、出入りする人数を逐次チェックされてました。そういえば、刑務官の方々は誰も笑ってない。ジョークを交えて説明してもらったけど、常に真剣な顔をしてて、適度な緊張感がピリピリと伝わってきました。本当にここは刑務所なんだなあ。厳しい場所なんだなあ。満足感でいっぱい!!