ササクレポン

ただのメモ帳のようなもの

犬コロとさよなら

昨日亡くなった実家で飼っている犬コロに会いに行きました。

いつもの場所で、いつも使ってる布団に包まっている犬コロは、死んでいるとは思えないくらい、目を閉じて安らかに眠っていました。いつも通り「ただいま、犬コロ」と言って、体に触りまくりました。もう体は冷たくて、脚を伸ばしたまま硬直してしまっているのですが、鼻や足の先はまだいつもの柔らかさがありました。傍には、弟が買ってくれたお線香が焚かれていて、大好きなスライスチーズと、いつも食べてるドックフードと、ほとんど買わなかったビーフジャーキーが添えられていました。

どうしてか、犬コロの命はもうここには居ない筈なのに、普通に実家に帰った時と変わらない雰囲気がそこにありました。

母親から話を聞くと、犬コロの亡骸は、寝屋川の斎場で火葬するとのこと。寝屋川市民だと、有料(3000円)でペットの火葬をしてくれるんだとか(予約とか無いそうです)。そこでは、ペットを入れた箱ごと回収してもらえるので、人間の時と同様にお棺の中に思い出の品を入れることができるし、骨は拾えないけど、墓地内にあるペットのお墓に遺灰を入れてもらえるので、お墓参りもできるとのこと。民間のペット葬儀だと、お骨は拾えるようですが、直接家に焼却炉付きの車がやってきて、その場で火葬するそうなので、近所の人の気分を悪くしてしまうだろうなあと思ってやめたそうです。それに、費用も数万かかるようですし。ちなみに、実家のある交野ではペットの死骸は生ゴミ扱いになるそうです。なんて酷い!

ペットとは言え11年も一緒に暮らしてきた家族をゴミとして扱うことなんて、あまりにかわいそうで心が痛むし、かと言って、民間業者に頼んでまでして盛大に最期を見送るのもどうかと思い、結果、斎場に依頼することにしたのだそうです。

ただ、このサービスを受けるには、寝屋川市民でないとダメなので、寝屋川に住んでいる弟に頼んで(弟が飼っていたことにして)委任状を書いてもらいました。

家での最期の別れがやって来て、母親がもらってきた大き目のダンボールの中へ布団を敷き、犬コロとスライスチーズとドックフードとビーフジャーキーを入れ、車で斎場へ向かうことにしました。ダンボールのフタはまだ閉じず、斎場で閉じることにしました。

斎場に入ると、小さなダンボールを持った小さな女の子が居ました。私たちと同様に、ペットの火葬をしに来たようです。女の子はひどく落ち込んでいて、私の心のように、今にも泣き出しそうな顔をしていました。

受付で火葬申し込みの書類を書くと、お棺を近くの棚に置いて欲しいと言われました。これで本当にお別れです。犬コロを入れたダンボールを車から出して、硬くなった体を何度も何度もなでてあげました。「元気でね」「バイバイ」と何度も何度も言いました。そして、苦しいながらもフタを閉じ、犬コロが入ったダンボールを指定された棚に置き、その場を去りました。

車の中、沢山溢れてきた思い出を語りながら、母親と2人で泣きました。人間くさい賢い犬だったので、きっと今度は人間に生まれ変われるでしょう。手のひらに残る犬コロのにおいは、一生忘れません。