ササクレポン

ただのメモ帳のようなもの

船場吉兆ビルの思い出をつらつらと書く

そのビルに初めて足を踏み入れたのは、仕事を辞めてプー太郎(×主婦、△ニート)を一年ほど経験したある日のこと、「もうそろそろ仕事せんとねー」と思い立ち(というか生活費がねーアレじゃん)、何回目かの面接を受けに行った時、である。ほどなく採用通知が届き、無事に社会復帰することとなった。しかしその会社はいろんな意味でヤバくて、半年後に退職することになるのだけど。まあその話は置いといて。

ビルオーナーである船場吉兆さんとの接点は、立場上けっこうあった。女将さんらしき方は、毎月家賃代の請求書を手渡しで持ってくる。見た目にも高級そうな和紙の封筒に包まれた請求書を手に「よろしくお願いします」と深くおじきをされる。なんて丁寧な!! 初めて対応した時は「これが吉兆さんかー」と深く感動したものです。女将さんらしき方とは電話でも何回か話したことがある。「エレベーター前にセミナーのお知らせを張ってもいいですか?」とか。そんな程度だったけど。ハキハキと丁寧に答えてくださった。

中でも一番長く吉兆さんと接することができたのが、ビル内の電気トラブルが発生した時。たしかアレはその前の日に電気系統の工事があって、その翌日の月曜、全ての電話が通じなくなってしまった。なぜかウチの会社が入ってるフロアだけが通じない。その日は女将さんと調理服を着た方(その方が渦中の店長さんだったかどうかは覚えてない)(でも報道写真を見てると似てる気がする)が会社に来て、何度も頭を下げてらした。その時も吉兆さんらしい、ハキハキとした丁寧なお詫びだった。

船場吉兆ビルはL字型をしている。大きなビルに小さなビルがくっついているような感じ。ウチの会社は大きい方のビルの上部に入ってて、窓から小さなビルの方が見えた。ビルの屋上にはいつも牡蠣の貝殻のようなモノ(それが本当に牡蠣なのかはわかんない)が見えた。太陽に照らされてキラキラ光るソレを見ながら「高級料亭だもん、牡蠣なんて年中出てるんだろなー」「一生に一度は行ってみたいなー(無理だけど)」とか思ってた。

朝は、ビル前を掃除する店員さんにあいさつして出社。夜は、ビルを囲むように並ぶ政治家や官僚が乗ってそうな黒色の高級車を横目に家路につく。それが船場吉兆ビルに通勤していた時の日常でした。

船場吉兆ビルに勤めだして半年後、私は依願退職した。そしてその一ヵ月後、その会社は逃げるように倒産した。それから更に一年と数ヵ月後の今日、船場吉兆強制捜査が入った。ビルに呪いがかかってるとしか思えられないのですが。

あとがき

今回の強制捜査でショックだったのが、L字型の船場吉兆ビルに覆われるように別のビルが建っていて、その一階に「Restaurant Mitsuyama(レストラン・ミツヤマ)」というイタリア料理店があるんですけど、ソコがチョーおいしいんですよ!! めっちゃカワイイし!! お気に入りなんですよ!! けどけど建物の構造上、大量の報道関係者に囲まれちゃって...なんという営業妨害!! ヒドイ!!(T皿T) キング(´・ω・)カワイソスなので久しぶりに食べに行く!!

場所は↓この辺。