ササクレポン

ただのメモ帳のようなもの

ハウルに愕然

uxoru2004-12-15


ハウルの動く城』の感想を書いております。ネタバレがありますので、これから観に行く方は読まない方がいいです。また、酷評もありますので、気に入っている方も読まれない方がいいです。お気を悪くされたらすみません。

以下、墨文字で。


今日『ハウルの動く城』見に行ってきました。前もってネットの評判を見ると「話が飛び過ぎててよくわからない」「事前に原作読んで補完しておいた方がいい」と書かれていたので、図書館に足を運んで原作を読みました。とてもよい作品でしたので「これが映画になったらすごいんやろうなあ」とワクワクしてました。ええ、とっても。

けれど裏切られました。ジブリハウルは愚作としか言いようのないほど極めてひどい作品でした。怒りすら覚えます。

ともかくストーリーがめちゃくちゃ。支離滅裂です。ツッコミどころ満載です。

  • 『美しくなければ意味がない』とまで言い切るハウルは、何故戦いでぼろぼろになった自分の姿に平気でいられるのか?何故すぐに魔法で『美しく』しないのか?
    • 原作では好きになった女性に猛烈にアタックしまくるプレイボーイなハウルが描かれていますが、ジブリ版は王の命令?により戦争に繰り出すハウルに置き換えられてしまっています。もしハウルが心底『美しくなければ意味がない』と思っているならば、何とかしてでも血なまぐさい戦場に行かないと思うし、もし嫌々行ったとしてもエレガントな戦い方(と表現するのは適切でないですが)をすると思います。ともかく原作ではハウルにマッチしていた台詞『美しくなければ意味がない』が、ジブリ版では「?」と思わざるを得ない台詞となってしまったのです。
  • 荒地の魔女』が恐ろしくて逃げまくっていたハウルが、どうしてそんなに簡単に魔女を受け入れるのか?
    • 意味不明です。弱くなったら怖くなくなった?そんなに簡単に怖くなくなるもんじゃないでしょ!
  • 何故ソフィは城を破壊した後に、城を動かそうとしたのか?
    • 原作で言う『長女はいつも損をする』というエピソードをあらわす場なら、「しまった」とか言ってほしかったです。ハウルがドロドロの液を出した時に怒って城の外に出て行った場合も、「長女じゃなければ」とか言ってほしかったです。いずれにしても、ソフィの心の内側を描いてる個所がなかったので、ソフィの性格がつかみにくかったと思います。
  • 荒地の魔女』の存在は一体なんだったの?
    • 原作にはない展開で魔女がただの老人となってしまったのですが、どうしてそういう必要があったのか全くわかりません。何のために『荒地の魔女』というキャラを出したのか?いっそのこと、戦争を始めたのが『荒地の魔女』で、ラストでハウルと戦うという流れにしてしまったのなら、しっくりくるのですが。
  • 何故ソフィがハウルの心臓を戻せたのか全くわからない。
    • これは意味不明だったと思います。原作のエピソードを抜きすぎです。帽子屋で働いていたソフィは、自分の作った帽子に向かって「あなたは○○婦人によく似合うわ」などとおしゃべりするのが日課でした。いつしかソフィの言った通りに、その帽子を○○婦人が買いにきたりします。つまりソフィは言霊(魔法)を使えたということなんです。だからこそカルシファーは「ソフィなら大丈夫だと思う」と言うのです。大事なとこなのにー。
  • 何故ソフィがどんどん若くなっていくのかわからない。
    • これはいろんな解釈ができると思います。「実際は老人のままなんだけど、描写は若い姿だった」とか「ソフィの思い(ソフィの魔法)によって、一時的に若くなった」とか。でも、老人の時でもハキハキ動けるようになってるのはちょっと説明が足りないと思います。原作では、ハウルがこっそり魔法を使って関節痛を治していたのでした。
  • ラストのサリマンの台詞「ばかげた戦争は終わりにしましょう」って・・・?戦争推進派じゃなかったの?はぁ?
    • 本当に意味がわかりません。サリマンって一体何がしたかったの?

もっともっといっぱいツッコミたいところはありますが、もういいです。疲れました。本当に本当にとんでもない映画でした。

ただ、絵や音楽はいつもどおりすばらしかったと思います。声優のキャスティングについては賛否両論ありますが、私的にはよかったと思いましたし。キムタクもいい意味でキムタクらしくないカッコよさを表現していて、いい役者になったなあと関心したほどでした。

けれど・・・。ストーリーがね、ひどいんです。ひど過ぎます。どうしてこんなことになったのでしょうか?

もしかして、宮崎駿監督と製作現場でいざこざがあったのではないでしょうか?それによって、監督ノータッチで作業が進んでしまったのではないでしょうか?結果、このようなハチャメチャな映画が出来上がってしまったのではないでしょうか?

風の谷のナウシカ』を始め数々の名作を生み出した名門スタジオジブリがこのような失態をしでかすには、なんらかの重大なトラブルがあったとしか考えられません。

そうでないならば・・・「宮崎駿はもう終わった人」と言わざるを得ないです。ショックです。

「原作者に誤って!」と叫びたいくらい、ジブリ不信になりました。もちろん、過去の作品は大好きです。何度も観てます。でも、ハウルはもう二度と観ません。これがジブリ作品だなんて納得できないからです。

ともかく今日は「信じられない」としか言えません。悲しいです・・・。