ササクレポン

ただのメモ帳のようなもの

謎の暗号あります

私が勤めている会社には、伝説を残して退職した人がいます。彼は客先に出向していて、恐ろしく忙しい仕事をまかされて、毎日毎日終電で帰っていたらしいのです。そんな心身ともに疲れ果ててしまいそうな時でした。彼は勤務報告をするために会社に一旦戻り、すぐに外出をしました。もちろん客先に向かったのだろうと皆思っていました。ところが数時間後客先にいる社員が「彼は社内にいますか」と電話をかけてきたのです。でも彼は社内にはいません。「彼はどこにいったのだろう?」と社内は大騒ぎになりました。探し回ること数時間、ようやく彼を見つけ出すことができました。彼は会社のすぐそばにある淀川の河川敷にいたのです。「どうしてそんなところにいたの?」と彼に問いただすと、彼は笑顔でこう答えたそうです。

「天気がよかったから」

私はこの話を聞いてあっけにとられました。そして同時に彼が本当に極限状態にいたんだということを認識できました。

山のような仕事に追われる日々。ふと気づくと天には青い空と白い雲。「そうだ、近くに川がある」水がさらさらと流れる音がする。ずっとここにいたい。そうだよ、こんなにいい天気なんだから・・・。

彼の心境が手にとるようにわかります。私もそんなつらい時がありました。

以来、会社では仕事が忙しすぎて逃亡したい気持ちを表す言葉として「天気いいですね」とか「いい天気だなあ」などが使われるようになりました。もちろんそれを聞いた社員は「がんばれ!」「明日にはきっといいことがある!」などと必死で応援するのです。たぶん・・・。

ちなみに私の後輩は「花屋になる」という暗号を作りました。転職するなら花屋の店長になって、アルバイトで雇う女の子に癒されたいと言うのです。私もまったく同感なので、つらい時には後輩と「花屋になりてぇ」と口をそろえて言ってました。今回、退職することを後輩に知らせるため「花屋になることにしました」とメールしたら、すぐに「退職するんですか!?」と返ってきました。暗号を活用できてなんだかちょっとうれしかったです。( ̄▽ ̄)にやり